【省力化・軽労化できるさくらんぼ栽培】山形県東根市発最先端の仕立て方

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東根市地域おこし協力隊の井上です。yusukeblog130(Twitter)

立木仕立て。(これがスタンダード)

はじめに(従来の仕立て方)

今回は「さくらんぼの最先端の仕立て方」について書いていきたいと思います。

一般的には「さくらんぼの軽労的な仕立て方」とも言われております。

写真でもあるようにスタンダードな仕立て方は「立木仕立て」になります。

この立木仕立てはさくらんぼの木を育てる上で、山形県東根市で最も多い主流なやり方で、苗木を植えてから本来の木の成長に逆らわない、自然に近い方法ではないのかなと思っております。

「立木仕立て」は「良いところ」もあるのですが、「良くないところ」もあると感じています。

それは、「木は年々、成長するので高くなる」、「木を育てるのに専門的な技術や知識(整枝・剪定技術)が必要なので品質が安定しない」、「消毒をする際、全体に上手くいき届かない」、「成木になり収量が安定するまでに10年以上かかる」など個人的な意見として感じられました。

木が年々高くなってしまうと、作業の際に大きな脚立を必要とし、脚立が大きくなれなばなるほど、安全性は損なわれてしまいます。

前に書いた記事で「さくらんぼ栽培の大変さ」について書いてますので見てみて下さい!

https://yusukes-life.com/sakuranbodukuri-demeritto

こういった高い作業が必然的に多くなっていくと、高齢者の方はさくらんぼの作業ができなくなってしまいます。

現に東根市では年々、高齢者の方はさくらんぼ畑を手放している方が多いように感じます。

やりたい気持ちはあってもできないと言う感じです。

こういった問題を解決するために考えられたのが、今回ご紹介する「さくらんぼの最先端の仕立て方」です!

山形県をはじめ東根市はさくらんぼ栽培に関して、技術的にも最先端に進んでいる地域だと思っております。

ちょっと昔であれば、こういった最先端の技術を学ぶためには「現地視察」しか方法はなかったと思われます。

しかし現在は大体の方はスマートフォンを持ち手軽に情報収集をする事ができます。

こうして発信する事で「遠方のさくらんぼ生産者の方にも知ってもらえるかもしれない」という事で書いていきたいと思いました。

園地視察をする前に簡単な知識を知った状態でするのと全く知らない状態でするのでは見方が違ってくると思いますので、参考になれば嬉しいです。

全く関係ない方にも楽しんでもらえるように、わかりやすく書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

早速、紹介していきたいと思います!

最先端の仕立て方

この写真はすごく大事です!

この最先端な仕立て方は上記写真でもあるように3種類あります!

この仕立て方は私のような新米生産者でも栽培しやすく、立木仕立てと比較して早い段階で「収量」及び「収入」が安定する「平棚」、「Y字」、「V字」仕立てがあります。

・最先端な仕立て方の良いところ、悪いところ

良いところ

専門知識が必要な作業が少なく、簡単

高所の作業が比較的少ない

果実のなる場所が統一されるので作業性が良い

収穫作業の効率が良い

苗を植えてから比較的早い段階で収量が得られる

日当たりが平均的にあたるので品質が統一される

雇用を必要とした大規模栽培にも適している

悪いところ

木の高さが低くなるので霜害に遭いやすい

5月〜8月にかけての夏場にも新梢を切る作業や枝を固定させる誘引作業をしなければいけないので年間の作業量は「立木仕立て」と比較すると増えてしまう。

などが考えられます。。。

それぞれ「平棚」、「Y字」、「V字」仕立てについて詳しく書いていき、比較をしていきたいと思います。

平棚仕立て

平棚仕立て写真

イメージとしては「ぶどう棚」のような感じです!

主枝を棚面に沿って水平に伸ばしていき、果実のついている枝(結果枝)も水平に誘引(枝を固定する作業)します。

写真をご覧の通り、

脚立が必要なし

日光が均一に当たる!(品質が統一される)

安全的にも良く、高齢者の方も安心して作業ができるのではないでしょうか。(今回ご紹介する仕立て方、全体に言えますが、特に低い仕立て方なので非常にオススメです!)

Y字仕立て

Y字仕立て写真

名前の通り、木(主枝)を「Y字」にするやり方ですね!(ざっくりですいません 笑)

主枝を2本に分けて斜め上に伸ばして、結果枝(果実の成る枝)をパイプに沿って水平に誘引して5〜9段で構成するやり方です。

全体的に木の高さは低いのですが、写真をご覧の通り、少し高い位置に枝があるので、脚立が必要になります。

とはいっても「立木仕立て」と比較すると全然低く、脚立も大きいタイプは必要ありません!

V字仕立て

V字仕立て写真

1本の主枝を1m前後の高さに倒して水平に誘引し、結果枝は主枝の両側に斜め上向きに構成します。

木の高さは「結果枝の長さ」で調整可能です。

なんか、「Y字仕立て」と似てますよね!?

さくらんぼ栽培をされていない方は見分け方が分からないと思います。

さくらんぼ栽培をしている方でも違いがよく分からないと聞いた事があるぐらいですからね。(汗)

簡単に説明させて頂きますと「Y字仕立て」は主枝を上にのばして、結果枝(果実の成る枝)を水平にします。

「V字仕立て」は主枝をねかすような形、寝かした状態で水平にして伸ばしていき、結果枝(果実の成る枝)を上に向かって伸ばしていきます。

木の特性としては上に成長していくものなので、個人的には「V字仕立て」は好きですね。

考え方によって、樹高が少し高くなってしまうと思いますが、結果枝の長さは調整できるので収量UPに繋がるかもしれません。

以上3種類を紹介させて頂きました!

それぞれの「仕立て方の特徴」と「立木仕立てと比較」していきたいと思います。

それぞれの特徴と立木仕立てとの比較

項目 平棚 Y字 V字
樹高 低い 低い〜同等 やや低い〜同等
管理の難易度 やや易しい 易しい やや易しい
作業時間 多い 多い 多い
収穫までの早さ やや早い 早い やや早い
果実の品質の揃い やや良 やや良
収量 同等 やや多い やや多い
園地条件 平坦地〜緩傾斜地 平坦地 平坦地〜緩傾斜地

これまで「良いところ」を説明させて頂きましたが、良くないところ、「欠点」について目を当てていきたいと思います!

「立木仕立て」と比較した「それぞれの欠点」

・平棚仕立て

木の特性上、結果枝(実の成る枝)が強くなりやすいので、取り扱いが難しい

双子果がやや多くなる(見た事ありますか!?、時期がきたら写真UPします!)

両手を上げて、上を向いて作業する事が多いので肩こりになるかも、

・Y字仕立て

結果枝の更新が難しい

下段の実の品質が不安定になりやすい

木の特性上、上段の生育が強く、下段が弱りやすい

・V字仕立て

木の特性上、結果枝(実の成る枝)が強くなりやすいので、取り扱いが難しい

実の成長(熟期)がやや遅い

裂果がやや多い

以上の事が挙げられます、こういった新しい仕立て方を挑戦したい場合、今挙げた「欠点」を理解された上、心配であれば、専門指導員等に聞いて説明を受ける事をオススメします!

栽培実績のある品種

・佐藤錦

・紅秀峰

・紅さやか

最も向いている品種は「紅秀峰」と言われています!

まとめ(新しい仕立て方に挑戦するには)

簡単ではございますが、最先端の仕立て方の「平棚」、「Y字」、「V字」について説明させて頂きました。

最先端っていうだけあって、さくらんぼ栽培の盛んなエリア、山形県東根市でもみんながみんな行っている栽培方法ではありません。

状況的にはまだまだこれからだと思います、、、

現状、さくらんぼ栽培をする上では高所作業が非常に多く、高齢者の立場、僕自身から考えてみても危険な作業だと思っています。

そんなこともあり、「高齢者さくらんぼ栽培事業者」は栽培を辞めていく一方です。

こういった仕立て方が普及する事で改善されていくとは思ってはいますが、どんな事でも言えますが、「新しい事」をはじめる事はすごく大変な事です。

これもはじめるにはある程度、「初期投資」が必要です。

タダ」ではできません。

※これにも資材等の補助金があるのでご安心を、、(約2分の1補助)

詳しくは市町村に問い合わせてみてください。

個人的には「投資してでもやる価値」はあると思っています。

なぜなら、「立木仕立て」だと専門的な知識や技術が必要なので品質を揃えるまでに経験と勉強が必要になってくるので「時間」がかかってしまうからです。

最先端の仕立て方は全く経験と勉強が必要ないといっているわけではありませんが、それぞれの作業が「マニュアル化」されている事が何よりの強みだと感じました。

マニュアル化されていれば、高齢者や初心者、経験の浅い方でも品質の良いさくらんぼを最短で作れると思います!

雇用を使う大規模栽培にも適していると思います!

それは、専門的知識や技術が立木仕立てと比較すると少ないので、雇用で作業が補えるからです!

さくらんぼ園地拡大を考えている方であれば今後必須な内容だったのではないでしょうか。

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